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浮動ライセンスの方式は、ノードロックドライセンスより柔軟性がありますが、管理作業が多くなります。 通常、このライセンスは、購入したライセンス数よりも潜在的なユーザ数の方が多い場合に使用されます。
浮動ライセンスで管理された ARM 製品のインストール環境は、以下のコンピュータで構成されています。
ARM ソフトウェア(RealView Development Suite など)がインストールされたコンピュータ。
ライセンスおよびライセンスサーバユーティリティディがインストールされたコンピュータ。 ライセンスサーバはクライアントとして使用することもできますが、これは通常の操作ではありません。
ライセンスサーバは、一度に使用できるライセンス提供製品のコンポーネント数を、購入したライセンスの最大数を超えないように制限するために使用されます。 Example 1.2のライセンスの抜粋は、標準の浮動ライセンスの一部を示しています。
この例では、完全修飾された SERVER
名は
で、ホスト
ID は cumulus.mycompany.com
785f2170
であり、ポート 8224
が使用されています。
3 サーバライセンスなら、ライセンスの最初に SERVER
行が 3 行あります。 この例のライセンスでは、指定
ARM アプリケーションの使用が最大 10 人の同時接続ユーザに許可されており、各ユーザはアプリケーションを実行するためのパーミッションをライセンスサーバから取得しています。
ツール群の各部分のライセンスは柔軟に管理されているため、この浮動ライセンスでは、一度に 10 人までのユーザが rvd_arm
機能を使用する一方で、別の
10 人のユーザが fromelf
機能を使用することができます。 製品ライセンスによっては、同時接続機能の使用を制限していることもあるので、詳細についてはお使いのツールのマニュアルを参照して下さい。
Example 1.2. 標準の単一サーバ浮動ライセンスの抜粋
SERVER cumulus.mycompany.com 785f2170 8224 VENDOR armlmd USE_SERVER INCREMENT fromelf armlmd 4.0 permanent 10 7E338B2771EA DUP_GROUP=NONE \ ISSUER="ARM Limited" NOTICE="For support see \ http://www.arm.com/support/" SN=ABCDE-98765-ZYXWV SIGN="8674 \ FEE3 5830 D004 2F8D 8C07 E75C 84AA 14EB 37A0 9AD7 4D73 D34A F83A \ EE22 B1F1 3579 54C8 54BA D9D7 5B87 E024 632C B7E0 1DF2 8526 2312 \ 27F2 DD78 C020 ABB9" SIGN2="1E17 F524 7987 9CD4 3BC2 FB34 E2FB \ 04AA 2C79 4B4C 776D 0FC3 9797 7653 2FBA 044B 2854 608B D8B9 \ 6F8A 7B69 3BFA 4AE4 2234 B9A0 0ACA 3E21 1CF8 0F58 54FE" INCREMENT rvd_ide armlmd 4.0 permanent 10 8EE2C29A2DB3 DUP_GROUP=UHD \ ISSUER="ARM Limited" NOTICE="For support see \ http://www.arm.com/support/" SN=ABCDE-98765-ZYXWV SIGN="2B77 \ 780F 37C5 CAD3 ED05 AECA 0424 0876 6E3D 2EAC 64EB C78E 7015 6E99 \ 2119 08ED 4889 AF20 CD05 9E76 EA75 72FE 0154 CC8F CD78 AA01 \ 1824 C650 A7B5 0696" SIGN2="20EA 4015 0356 5FF8 2DE5 083A 2C9F \ 5645 B14E 220C 00E1 8970 F32E B873 AC7E 182A 20EF 27EA 7BB8 \ B25E 08DB 70D3 AB8B 7847 DB87 B88A 5700 A079 BEB7 E3D2" INCREMENT rvd_arm armlmd 4.0 permanent 10 D3C61DCC1FFE DUP_GROUP=UHD \ ISSUER="ARM Limited" NOTICE="For support see \ http://www.arm.com/support/" SN=ABCDE-98765-ZYXWV SIGN="878E \ E524 BCC7 9C50 1512 D42D 0707 DA8E B727 78EE A48B 913E DC88 A4B7 \ BEF5 7DD7 FB2D 078C 7C9C AF10 945C 386E 661A 048E 1474 FEE7 \ 08B3 BAE4 E8E2 24EA" SIGN2="237E C75E 17A6 9687 8C94 DA87 27BE \ 5912 FA64 2406 E6D6 2EC4 F19B BFEB A7ED 1CC2 A0FE 0435 8701 \ 2EC9 1137 9D13 8F8D 5237 1BC7 C785 1374 A804 E9EF A91D"
ライセンスサーバコンピュータで Windows 95、98、または Me を使用することは、推奨もサポートもされていません。
Windows および Unix/Linux ライセンスサーバとクライアントは、すべてのインストールにおいて混在することができます。 クライアントコンピュータは、ローカルエリアネットワーク経由でサーバコンピュータにアクセスできる必要があります。
ワイドエリアネットワーク(WAN)全体で浮動ライセンスを使用することはサポートされていません。 パフォーマンス上の理由から、ライセンスサーバとクライアントを同じローカルエリアネットワーク(LAN)上に配置することを強くお勧めします。
ARM ソフトウェアライセンスでは、浮動ライセンスのインストールについて、2 つの異なるサーバモデルをサポートしています。
ライセンスファイルは、単一サーバのホスト ID に対してロックされ、ライセンスのプロセスが制御されます。 単一サーバの浮動ライセンスモデルでは、サーバコンピュータが常に実行されており、しかもクライアントコンピュータがサーバコンピュータにローカルエリアネットワーク経由でアクセスできる必要があります。
この単一サーバが停止した場合、再び起動されるまでは、ライセンスを提供されたツールを使用できません。
Figure 1.1 に、単一サーバモデルを示します。
サーバでは、対応するサーバの詳細が含まれるライセンスファイルが、ライセンスサーバのプロセスによってロードされます。 クライアントは、ライセンスサーバとライセンスが発行されるポートを参照するように設定する必要があります。
この設定を行うには、クライアントの ARMLMD_LICENSE_FILE
環境変数を
"port@server" に設定することをお勧めします。 Figure 1.1 の例では、環境変数を "8224@Server_A" に設定する必要があります。
詳細については、Chapter 5 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定を参照して下さい。
ライセンスファイルは、3 台の個別のライセンスサーバのホスト ID に対してロックされます。 そのため、1 台のサーバで障害が発生しても、ユーザはライセンスをチェックアウトすることができるため、製品のライセンス提供の信頼性が高くなります。 3 サーバ浮動ライセンスモデルでは、以下のことが必要です。
最低でも 2 台のサーバコンピュータが常に実行されていること
どのサーバもローカルエリアネットワーク経由でお互いにアクセスできること
クライアントコンピュータもローカルエリアネットワーク経由でこれらのサーバコンピュータにアクセスできること
3 台のサーバモデルには以下のような制限事項があります。
単一サーバシステムよりも設定が複雑です。
サーバが 3 台必要で、そのうち 2 台は常に実行されている必要があります。
3 台のサーバモデルは、複雑度が高くなるため、サーバの稼動に多くのユーザが依存している職場で 10 個以上のライセンスを管理する場合に適しています。
Figure 1.2 に、3
台のサーバモデルを示します。 各サーバで、3 台のサーバの詳細がすべて含まれる同一のライセンスファイルが、ライセンスサーバのプロセスによってロードされます。
クライアントは、すべてのライセンスサーバとライセンスが発行されるポートを参照するように設定する必要があります。 この設定を行うには、ARMLMD_LICENSE_FILE
環境変数を設定することをお勧めします。
詳細については、Chapter 5 ライセンスサーバを使用するためのクライアントの設定を参照して下さい。
Figure 1.2 の例では、Windows で環境変数を "8224@Server_A;8224@Server_B;8224@Server_C" に設定する必要があります。 リスト内の最初のサーバである Server_A はマスタサーバで、他の 2 台のサーバを起動する前に起動する必要があります。
オペレーティングシステムによって、環境変数で使用する区切り文字が異なる場合があります。 Windows 環境の区切り文字はセミコロン(;)ですが、Unix/Linux 環境ではコロン(:)になります。