1.6 ヘッドレスコマンドラインデバッガのオプション

以下のコマンドラインオプションを使用して、DS-5 ヘッドレスコマンドラインデバッガを設定できます。

次の構文を使用して、ヘッドレスコマンドラインデバッガを起動します。
debugger [--optionarg] ...
各項目には以下の意味があります。
debugger
DS-5 ヘッドレスコマンドラインデバッガを呼び出します。
--option arg
コマンドラインデバッガの設定を行うかまたはターゲットに接続するためのオプションとその引数。
...
追加オプション。

接続したら、DS-5デバッガ コマンドを使用してターゲットにアクセスし、デバッグを開始します。
例えば、info registers はすべてのアプリケーションレベルのレジスタを表示します。

オプション

--browse
使用可能な接続を参照して、コンフィギュレーションデータベースエントリで指定された接続の型に一致するターゲットを一覧表示します。

--browse を使用するには、--cdb-entry arg を指定する必要があります。
--cdb-entry arg
デバッガが接続できるコンフィギュレーションデータベースからのターゲットを指定します。
arg を使用して、ターゲットコンフィギュレーションを指定します。 arg は各レベルのコンフィギュレーションデータベースでのエントリを使用して連結された文字列です。arg の構文は、"Manufacturer::Platform::Project type::Execution environment::Activity::Connection type" です。--cdb-list を使用して、デバッガが接続できるコンフィギュレーションデータベースのエントリを判断します。
--cdb-entry-param arg
デバッガの接続パラメータを指定します。
arg を使用して、パラメータとその値を指定します。arg の構文は、パラメータと値のペア( "param1=value1" など)をコンマで区切ったものです。--cdb-list を使用して、デバッガが必要とするパラメータを特定します。デバッガが必要とする可能性があるパラメータは、次のとおりです。
Connection
接続先ターゲットの名前を指定します。
Address
gdbserver 接続のアドレスを指定します。
Port
gdbserver 接続のポートを指定します。
dtsl_options_file
DTSL オプションを記載したファイルを指定します。
Model parameters
モデル接続用のパラメータを指定します。モデルパラメータは、デバッガの接続先である特定のモデルに依存します。パラメータおよびそれらの設定方法については、モデルのドキュメントを参照して下さい。デバッガでは、モデルパラメータ値が指定されない場合、デフォルト値が使用されます。
各パラメータに --cdb-entry-param を使用します。例えば、--cdb-entry-param "Connection=TestTarget" --cdb-entry-param "dtsl_options_file=my_dtsl_settings.dtslprops"
です。
--cdb-list filter
コンフィギュレーションデータベースのエントリを一覧表示します。このオプションでは、どのターゲットにも接続しません。
コンフィギュレーションデータベースには、どのエントリにも内部にエントリが複数あるツリーデータ構造があります。--cdb-list により、各レベルのデータベースのエントリが特定されます。レベルは次のとおりです。
  1. 製造元
  2. プラットフォーム
  3. [Project type]
  4. 実行環境
  5. アクティビティ
  6. 接続の型
filter を使用して、各レベルでのエントリを指定し、ターゲットと接続方法を特定します。 filter はコンフィギュレーションデータベースの連続レベルのエントリを使用して連結された文字列です。 filter の完全な構文は、"Manufacturer::Platform::Project type::Execution environment::Activity::Connection type" です。
filter の指定が不完全な場合、--cdb-list により、次のレベルのコンフィギュレーションデータベースのエントリが表示されます。そのため、 filter を指定しない場合、--cdb-list により、最初のレベルのコンフィギュレーションデータベースからの Manufacturer エントリが表示されます。第 1 と第 2 レベルのコンフィギュレーションデータベースからのエントリを使用して、 filter を指定する場合、--cdb-list により、指定された Platform 内の Project type エントリが表示されます。完全な filter を指定した場合、--cdb-list により、--cdb-list-param を使用して指定される必要があるパラメータが一覧表示されます。

コンフィギュレーションデータベースのエントリでは、大文字と小文字が区別されます。

接続の型 は、DSTREAM または RVI を参照するため、モデルに接続するときには 接続の型 はありません。
コンフィギュレーションデータベースの最初のレベルのエントリを一覧表示するには、次を使用します。
debugger --cdb-list
製造元 Altera 内のコンフィギュレーションデータベースエントリをすべて一覧表示するには、次を使用します。
debugger --cdb-list="Altera"
--cdb-root arg
コンフィギュレーションデータベースの場所とデバッガのデフォルトのコンフィギュレーションデータベースを指定します。

デフォルトのコンフィギュレーションデータベースからのデータが不要な場合は、追加のコマンドラインオプション --cdb-root-ignore-default を使用して、デフォルトのコンフィギュレーションデータベースを使用しないようにデバッガに指示します。

コンフィギュレーションデータベースルートの指定順序は、複数の異なるデータベースで同じ情報を使用できる場合に重要となります。つまり、最後に入力された場所(コマンドライン全体の末尾に最も近い場所)のデータは、それより前の場所のデータをオーバーライドします。
--cdb-root-ignore-default
デフォルトのコンフィギュレーションデータベースを無視します。
--continue_on_error=true | false
エラーが発生したときにデバッガでターゲットを停止して現在のスクリプトを終了するかどうかを指定します。
デフォルトは --continue_on_error=false です。
--disable-semihosting
セミホスティング操作を無効にします。
--disable_semihosting_console
デバッガコンソールに対するすべてのセミホスティング操作を無効にします。
--enable-semihosting
セミホスティング操作を有効にします。
-h または --help
主なコマンドラインオプションの一覧を表示します。
-b=filename または --image=filename
デバッガがターゲットに接続したときにロードするイメージファイルを指定します。
--interactive
Windows コマンドプロンプトや Unix シェルなどの現在のコマンドラインコンソールからデバッガに標準入出力を転送するインタラクティブモードを指定します。

スクリプトファイルが指定されていない場合は、これがデフォルトになります。
--log_config=arg
デバッガから実行時メッセージを出力するログコンフィギュレーションのタイプを指定します。
arg は、以下のように操作できます。
info - 定義済みの INFO レベル設定を使用する出力メッセージ。このレベルではデバッグメッセージを出力しません。これがデフォルトです。)
debug - 定義済みの DEBUG レベル設定を使用する出力メッセージ。このオプションは INFO レベルと DEBUG レベルの両方のメッセージを出力します。
filename - メッセージの出力をカスタマイズするユーザ定義のログコンフィギュレーションファイルを指定します。デバッガは log4j コンフィギュレーションファイルをサポートします。
--log_file=filename
デバッガから実行時メッセージを受け取る出力ファイルを指定します。このオプションを使用しないと、出力メッセージはコンソールに転送されます。
--script=filename
ターゲットの制御とデバッグを行うデバッガコマンドを含むスクリプトファイルを指定します。複数のスクリプトファイルがある場合は、このオプションを繰り返し指定できます。スクリプトは指定された順序で実行され、最後のスクリプトが終了するとデバッガは終了します。最後のスクリプト終了後もデバッガをインタラクティブモードにしておきたい場合は、--interactive オプションをコマンドラインに追加します。
-e arg または --semihosting-error arg
セミホスティング stderr を書き込むファイルを指定します。
-i arg または --semihosting-input arg
セミホスティング stdin を読み出すファイルを指定します。
-o arg または --semihosting-output arg
セミホスティング stdout を書き込むファイルを指定します。
--stop_on_connect=true | false
ターゲットデバイスに接続したときにデバッガでターゲットを停止するかどうかを指定します。接続時にターゲットを変更しない場合は、false を指定する必要があります。デフォルトは --stop_on_connect=true です。
--top_mem=address
top of memory とも呼ばれるスタックベースを指定します。top of memory はセミホスティング操作にのみ使用されます。
--target-os=name
ターゲット上のオペレーティングシステムを指定します。ターゲット上のオペレーティングシステムをデバッグする場合は、このオプションを使用します。
--target-os-list
DS-5 デバッガによってデバッグできるオペレーティングシステムを一覧にします。

モデルへの接続を確立するには、--cdb-entry オプションを指定するだけで十分です。ただし、その他すべての場合に接続を確立する(例えば、DSTREAM を使用して Linux アプリケーションのデバッグを行う)には、--cdb-entry オプションと --cdb-entry-param オプションの両方を指定する必要があります。
その他すべてのオプションを有効にするには、デバッガを呼び出すときに通常は --cdb-entry を指定する必要があります。これの例外は、次のとおりです。
  • --cdb-list および --help では、--cdb-entry は不要です。
  • --cdb-root--cdb-list または --cdb-entry のいずれかを付けて指定することができます。

例 1-1 例

ARM FVP Cortex-A8 モデルに接続するには、最初に --cdb-list を使用して、ARM FVP 内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "ARM FVP::Cortex-A8::Bare Metal Debug::Bare Metal Debug::Debug Cortex-A8"
ARM FVP Cortex-A9x4 モデルに接続し、ロードするイメージを指定するには、最初に --cdb-list を使用して、ARM FVP 内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "ARM FVP::VE_Cortex_A9x4::Bare Metal Debug::Bare Metal SMP Debug::Debug Cortex-A9x4 SMP" --image "C:\DS-5_Workspace\fireworks_A9x4-FVP\fireworks-Cortex-A9x4-FVP.axf"
Pandaboard ターゲットに接続するには、最初に --cdb-list を使用して、pandaboard.org 内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "pandaboard.org::OMAP 4430::Bare Metal Debug::Bare Metal Debug::Debug Cortex-A9x2 SMP::RealView ICE" --cdb-entry-param "Connection=TCP:TestFarm-Panda-A9x2"
USB を使用して Versatile Express A9x4 ボードに接続するには、最初に --cdb-list を使用して、ARM 開発ボード内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "ARM Development Boards::Versatile Express A9x4::Bare Metal Debug::Bare Metal SMP Debug of all cores::Debug Cortex-A9x4 SMP::DSTREAM" --cdb-entry-param "Connection=USB:000271"
USB を使用して Versatile Express A9x4 ボードに接続するには、最初に --cdb-list を使用して、ARM 開発ボード内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。ターゲットのオペレーティングシステムが RTX の場合は、ターゲットの RTX をデバッグするために、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "ARM Development Boards::Versatile Express A9x4::Bare Metal Debug::Bare Metal SMP Debug of all cores::Debug Cortex-A9x4 SMP::DSTREAM" --cdb-entry-param "Connection=USB:000271" --target-os rtx
gdbserver を既に実行している Beagleboard ターゲット上の Linux アプリケーションに接続しデバッグするには、最初に --cdb-list を使用して、beagleboard.org 内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "beagleboard.org::OMAP 3530::Linux Application Debug::gdbserver (TCP)::Connect to already running gdbserver" --cdb-entry-param "Address=TCP:TestFarm-Beagle-A8-Android" --cdb-entry-param "Port=5350"
Beagleboard ターゲット上の Linux カーネルに接続しデバッグするには、最初に --cdb-list を使用して、beagleboard.org 内のコンフィギュレーションデータベースのエントリを特定します。次に、以下を使用します。
debugger --cdb-entry "beagleboard.org::OMAP 3530::Linux Kernel and/or Device Driver Debug::Linux Kernel Debug::Debug Cortex-A8::DSTREAM" --cdb-entry-param "Connection=TCP:TestFarm-Beagle-A8-Android"

デバッガ接続が確立されたら、接続を終了するときに「quit」と入力します。
関連する概念
7.6 log4j コンフィギュレーションファイルについて
関連する作業
1.4 Eclipse からのデバッガの起動
関連する参考文書
1.10  DS-5デバッガ コマンドラインコンソールのキーボードショートカット
8.1 デバッグセッションで生成された DS-5 デバッガコマンドのエクスポート
7.1 セミホスティングと top of memoryについて
関連情報
Apache ログサービスの Log4j
DS-5 デバッガコマンド
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