7.40 タイプ 3 のイメージ:複数のロード領域と連続しない実行領域

タイプ 3 のイメージは、ロードビュー内の複数のロード領域と、実行ビュー内の複数の実行領域から構成されます。このタイプのイメージはタイプ 2 のイメージと似ていますが、このイメージではタイプ 2 の 1 つのロード領域が複数のロード領域に分割されます。

以下のリンカオプションを使用して、ロード領域を再配置および分割できます。

--reloc

--reloc --split の組み合わせを使用すると、単純タイプ 3 に似たイメージが生成されますが、2 つのロード領域には RELOC 属性が設定されます。

オブジェクトファイルに実行のみセクションが含まれている場合、このオプションは使用できません。

--ro_base=address1

RO 出力セクションを含んでいる領域のロードアドレスと実行アドレスを指定します。

--rw_base=address2

RW 出力セクションを含んでいる領域のロードアドレスと実行アドレスを指定します。

--xo_base=address3

実行専用(XO)出力セクション(存在する場合)を含んでいる領域のロードアドレスと実行アドレスを指定します。

--split

RO 出力セクションと RW 出力セクションを含んでいるデフォルトの 1 つのロード領域を 2 つのロード領域に分割します。これにより、一方のロード領域には RO 出力セクションが含められ、もう一方のロード領域には RW 出力セクションが含められます。

XO セクションを含んでいるイメージの場合、または --xo_base が使用されていない場合は、XO 実行領域は --ro_base で指定されるアドレスに配置されます。RO 実行領域は XO 領域の直後に配置されます。

複数のロード領域の例

以下の例では、 --ro_base=0x010000 --rw_base=0x040000 --split:

LR_1 0x010000     ; 最初のロード領域を 0x010000 から開始する。{         ER_RO +0      ; アドレスは 0x010000 になる。{         * (+RO)     } } LR_2 0x040000     ; 2 番目のロード領域を 0x040000 から開始する。{     ER_RW +0      ; アドレスは 0x040000 になる。{         * (+RW)   ; すべての RW セクションはこの領域に連続して配置される。}     ER_ZI +0      ; アドレスは 0x040000 + ER_RW 領域のサイズになる。{         * (+ZI)   ; すべての ZI セクションはこの領域に連続して配置される。} }

この例では、以下のようになります。

  • 0x010000 0x040000 をロードアドレスとする 2 つのロード領域 LR_1LR_2 を含んでいるイメージが作成されます。

  • このイメージには、ER_ROER_RWER_ZI という 3 つの実行領域があり、それぞれ RO、RW、ZI の各出力セクションを含んでいます。 ER_RO の実行アドレスは 0x010000 です。

  • ER_RW 実行領域と ER_RO 実行領域は、実行アドレスが 0x040000 であるため、隣接していません。

  • ER_ZI 実行領域は ER_RW 領域の直後に配置されます。

複数のロード領域と XO 領域の例

以下の例では、 オブジェクトファイルに XO セクションが含まれている場合の --ro_base=0x010000 を使用することと同じ意味を持つスキャッタロード記述を示しています。

LR_1 0x010000     ; 最初のロード領域を 0x010000 から開始する。{         ER_XO +0      ; アドレスは 0x010000 になる。{         * (+XO)     }     ER_RO +0      ; アドレスは 0x010000                   ;                + ER_XO 領域のサイズになる。{         * (+RO)     } } LR_2 0x040000     ; 2 番目のロード領域を 0x040000 から開始する。{     ER_RW +0      ; アドレスは 0x040000 になる。{         * (+RW)   ; すべての RW セクションはこの領域に連続して配置される。}     ER_ZI +0      ; アドレスは 0x040000 + ER_RW 領域のサイズになる。{         * (+ZI)   ; すべての ZI セクションはこの領域に連続して配置される。} }
            

この例では、以下のようになります。

  • 0x010000 0x040000 をロードアドレスとする 2 つのロード領域 LR_1LR_2 0x040000 .

  • このイメージには、ER_XOER_ROER_RWER_ZI という 4 つの実行領域があり、それぞれ XO、RO、RW、ZI の各出力セクションを含んでいます。ER_XO の実行アドレスは --ro_base 0x010000 で指定されるアドレスに配置されます。 ER_ROER_XO の直後に配置されます。

  • ER_RW 実行領域と ER_RO 実行領域は、実行アドレスが 0x040000 であるため、隣接していません。

  • ER_ZI 実行領域は ER_RW 領域の直後に配置されます。

--xo_base も指定した場合は、ER_XO 実行領域は、 ER_RO 実行領域とは別の指定したアドレスのロード領域に配置されます。

再配置可能なロード領域の例

このタイプ 3 のイメージも、ロードビュー内の 2 つのロード領域と、実行ビュー内の 3 つの実行領域から構成されます。ただし、--reloc によって今度は 2 つのロード領域に RELOC 属性が設定されています。

以下の例では、 --ro_base 0x010000 --rw_base 0x040000 --reloc --split:

LR_1 0x010000 RELOC {      ER_RO + 0      {          * (+RO)      } }  LR2 0x040000 RELOC {      ER_RW + 0      {          * (+RW)      }      ER_ZI +0      {           * (+ZI)      } }
関連する概念
8.3 ロード領域の記述
8.10 ロード領域に相対アドレス +offset を使用する際の注意事項
8.11 実行領域に相対アドレス +offset を使用する際の注意事項
関連する参考文書
12.116 --reloc
12.119 --ro_base=address
12.123 --rw_base=address
12.136 --split
12.171 --xo_base=address
8.5 ロード領域の属性
8.9 ロード領域と実行領域のアドレス属性
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