1.88 C および C++ ライブラリの命名規則

バリアントがどのようにビルドされたかは、ライブラリのファイル名から識別できます。

このドキュメントで説明するライブラリの命名規則は、最新のリリースの ARM Compilation Tools に適用されます。C および C++ ライブラリ名には依存しないようにして下さい。今後のリリースで変更される可能性があります。
通常、リンカのコマンドラインで C および C++ ライブラリを明示的に示す必要はありません。さまざまなオブジェクト属性に基づいて、ARM リンカによって使用する適切な C または C++ ライブラリが自動的に選択されます。複数のライブラリが使用される場合もあります。
以下に、ファイル名のフィールド値と、関連ビルドオプションを示します。
root/prefix_arch [fpu] [entrant] [enum] [wchar].endian
root
armlib
ARM C ライブラリ。arm_linux サブディレクトリには、ARM Linux アプリケーションのビルドに使用するライブラリが含まれています。
cpplib
ARM C++ ライブラリ。
prefix
armlinux
ARM Linux アプリケーションのビルドに使用するライブラリ。
c
ISO C および C++ の基本ランタイムサポート。
cpp
Rogue Wave C++ ライブラリ。
cpprt
ARM C++ ランタイムライブラリ。
f
--fpmode=ieee_fixed
固定丸めモード(近似値への丸め)を使用し、不正確例外を使用しない、IEEE 準拠ライブラリ。
fj
--fpmode=ieee_no_fenv
固定丸めモード(近似値への丸め)を使用し、例外を使用しない、IEEE 準拠ライブラリ
fz
--fpmode=fast または --fpmode=std
fj ライブラリと同じように動作しますが、そのほかに異常と無限大をゼロにフラッシュします。
このライブラリは高速モードの ARM VFP のように動作します。これがデフォルトです。
g
--fpmode=ieee_full
設定可能な丸めモードとすべての IEEE 例外を使用する、IEEE 準拠ライブラリ。
h
コンパイラのサポート(ヘルパ関数)ライブラリ。
m
超越数学関数。
mc
ISO C 非準拠の ISO C マイクロライブラリ基本ランタイムサポート。
mf
IEEE 754 非準拠の浮動小数点マイクロライブラリサポート。
arch
4
ARMv4 で使用する ARM 専用のライブラリ。
t
ARMv4T で使用する ARM/Thumb インターワークのライブラリ。
5
ARMv5T 以降で使用する ARM/Thumb インターワークのライブラリ。
w
ARMv6-M で使用する Thumb 専用ライブラリ。
p
ARMv7-M で使用する Thumb 専用ライブラリ。
2
Cortex-A および Cortex-R シリーズプロセッサで使用する ARM と Thumb を組み合わせたライブラリ。リンカオプション --no_thumb2_library を使って、このライブラリが選択されないようにすることができます。
fpu
m
Cortex-M4 などの単精度ハードウェア浮動小数点のみを持つプロセッサ用のライブラリのバリアント。
v
VFP 命令セット。
s
ソフト VFP。

ライブラリ名に vm、または s のいずれも含まれていない場合、ライブラリは浮動小数点をサポートしません。
entrant
e
スタティックデータへの位置非依存形式アクセス。
f
FPIC アドレス指定が有効。

ライブラリ名に ef のいずれも含まれていない場合、ライブラリは以下のいずれかを実行します。
  • スタティックデータへの位置依存形式アクセスを使用します。これは、c または mc を接頭辞として使用するメイン C ライブラリの場合です。
  • スタティックデータにアクセスしないか、メイン C ライブラリを使用することでのみアクセスします。これは、fzfjfgmf、または m を接頭辞として使用する fplib および mathlib の場合です。
enum
n
コンパイラオプション --enum_is_int と互換性があります。
wchar
u
wchar_t のサイズを示します。存在する場合は、ライブラリはコンパイラオプション --wchar32 と互換性があります。存在しない場合は、--wchar16 と互換性があります。
endian
l
リトルエンディアン形式
b
ビッグエンディアン形式
以下に例を示します。
armlib/c_4.b
cpplib/cpprt_5f.l

すべてのバリアント/名前の組み合わせが有効であるとは限りません。ARM コンパイラに付属のライブラリについては、armlib および cpplib ディレクトリを参照して下さい。
リンカコマンドラインオプション --info libraries は、リンクステージに対して自動的に選択されたすべてのライブラリについての情報を返します。
関連する概念
1.87 コンパイラによって生成されたライブラリに存在するヘルパ関数
関連情報
--enum_is_int コンパイラオプション
--wchar16 コンパイラオプション
--wchar32 コンパイラオプション
--info=topic[,topic,...] リンカオプション
--thumb2_library リンカオプション
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