6.3 タイムラインビューのグラフ

タイムラインビューの上半分には、一連のグラフが表示されます。表示されるグラフの種類は、[カウンタの設定]ダイアログボックスを使用して定義したカウンタと、グラフコンフィギュレーションの制御を使用してグラフに対して行ったカスタマイズによって異なります。

Streamline™ では、グラフに使用するデータがハードウェアとソフトウェアのパフォーマンスカウンタリソースから収集されます。これらのデータは、カウンタの設定方法および使用するシステムの種類によって異なります。SMP システムの場合、グラフ表示コントロールを使用すると、データを展開してコアごとまたは big.LITTLE™ クラスタごとのコレクションを表示できるようになります。
タイムラインビューのデフォルトのグラフは次のとおりです。
CPU アクティビティ
システムまたはユーザコードに費やされた CPU 時間の割合。残りの時間はアイドル時間とみなされます。CPU Activity グラフをユーザが構成することはできません。
CPU Wait - 競合
競合のためにコアが強制的に待機させられた時間の長さを測定し、パーセントで表記します。これはバイナリインジケータです。タスクが待機しているとき、この値は 100% です。それ以外のときは 0% です。
CPU Wait - I/O
I/O 待機が原因でタスクの実行が停止された頻度を測定します。
クロック
各コアによって使用されるサイクルの数。
コア
各コアによって実行される命令の合計数。
周波数
ARM® コアの周波数。マルチコアシステム上ではコア単位で分けて表示できます。
キャッシュ
キャッシュコヒーレンシのヒットとミスの数。キャッシュコヒーレンシのミスは、プロセッサが一貫性のないキャッシュとの間でデータの読み書きを試みるたびに発生します。この問題は、複数のプロセッサがリソースを共有している SMP システムでよく見られます。コヒーレンシのヒットは、プロセッサが有効な状態のキャッシュとの間でデータの読み書きを行ったときに起こります。
割り込み
ソフト IRQ と標準的なハードウェア IRQ の両方の量をマッピングします。ソフト IRQ は IRQ と似ていますが、ソフトウェアによって処理されます。ソフト IRQ は通常、カーネルコードにとって比較的都合のよいタイミングで実行されます。
ディスク IO
ディスクとの読み書きがトリガされた回数を測定します。
メモリ
実行期間中の使用可能なシステムメモリをグラフにします。
複数のコアを持つターゲットを使用している場合は、タイムラインビューの一部のグラフが表示コントロール付きで表示されます。このコントロールを使用すると、グラフを複数のセクションに分割し、各セクションをシステム内の各コアに対応させることができます。
タイムラインビューの他のグラフとは異なり、詳細パネルのヒートマップでの現在の選択項目に応じて、CPU Activity、CPU Wait、GPU Vertex、GPU Fragments、Memory の各グラフの表示方法は変わります。ヒートマップにアクティブな選択項目がある場合、選択されたプロセスによって引き起こされた CPU アクティビティを反映するように緑色のバーが変化します。 Streamline では、全体のアクティビティが引き続きダークグレーで表示されるので、選択されたプロセスの CPU Activity 値を合計値と視覚的に比較することができます。
図 6-3 プロセスセクションにアクティブな選択項目がある棒グラフ
プロセスセクションにアクティブな選択項目がある棒グラフ

Activity グラフと同様、GPU Vertex および GPU Fragment の各棒グラフには、選択されたプロセスによって開始されたアクティビティのみ表示されます。これにより、アプリケーションで発生した GPU アクティビティと、他のアプリケーションやシステムサービスで発生したアクティビティを区別することができます。

プロセスフォーカスボタン

タイムラインビューのいくつかのグラフには、グラフハンドルの左側にボタンがあり、詳細パネルのヒートマップの現在のフォーカス(関心の的)としてそのグラフを選択することができます。デフォルトでは、これは CPU Activity グラフに設定されています。
図 6-4 プロセスフォーカスボタン
プロセスフォーカスボタン

いずれかの棒グラフ上で[プロセスフォーカス]ボタンをクリックすると、直近に選択された棒グラフでのアクティビティの一因となったプロセスのヒートマップを表示するように詳細パネルのヒートマップが更新されます。例えば、GPU Vertex グラフ上の[プロセスフォーカス]ボタンをクリックすると、その GPU Vertex プロセッサのみのアクティビティを表示するようにヒートマップが更新されます。GPU グラフが得られるのは、 ARM Mali™ ベースのターゲットに関するデータがキャプチャ済みで、かつ Mali テクノロジをサポートする gator モジュールがビルド済みの場合のみです。

ツールチップのクイックアクセス

タイムラインビューで任意のグラフ上にマウスを移動すると、ツールチップに、そのグラフ固有の値および基本色が表示されます。
図 6-5 ツールチップのクイックアクセス
ツールチップのクイックアクセス

グラフをクリックすると、タイムラインビューの個々のグラフの値と基本色を示すクロスセクションマーカが移動します。

グラフの移動とサイズ変更

各グラフとプロセスの左側には、タイトル(グラフの場合はタイトルと色分けされたキー)付きの角の丸いボックスがあります。また、「ハンドル」と呼ばれるこれらの丸いバーを使用すると、個々のグラフおよびプロセスをドラッグアンドドロップして優先順に並べることができます。
図 6-6 ハンドルコントロールを使用したグラフの移動
ハンドルコントロールを使用したグラフの移動

グラフまたはプロセスを並べ替えるには、ハンドルコントロールをクリックしてドラッグし、目的の場所で離します。グラフを非表示にするには、ハンドルコントロールをグラフの最下部までドラッグして、グラフが見えなくなるまで分割バーを上にドラッグします。
タイムラインビュー内のグラフは、グラフハンドルコントロールの底辺にあるコントロールを使ってそのサイズを変更することもできます。
図 6-7 グラフのサイズ変更
グラフのサイズ変更

すべてのシリーズが新しい高さに合わせて拡張します。グラフのサイズを大きくすると、詳細が明瞭になり、値の変動が強調されます。
グラフハンドルの幅もカスタマイズすることができます。カスタマイズするには、ハンドルの右端をクリックし、必要な幅までドラッグします。

グラフ表示コントロール

グラフ表示コントロールは、コアごとのデータが存在するグラフの左上隅に表示されます。ターゲットにコアクラスタが存在しない場合、表示コントロールをクリックすると、矢印が下向きになり、ターゲットに存在する個々のコアのグラフを別々に表示するためにグラフが拡張します。
ターゲットハードウェアにクラスタが存在する場合、表示コントロールは異なった動作を示します。最初のクリックによって矢印が 45 度下に傾き、タイムラインビューにはシステム上の個々のクラスタのグラフが表示されます。
図 6-8 グラフ表示コントロールを使ってクラスタごとのデータを表示したところ
グラフ表示コントロールを使ってクラスタごとのデータを表示したところ

2 度目のクリックで矢印が下向きになり、タイムラインビューにはシステム内のコアごとのグラフが表示されます。3 度目のクリックでデフォルト表示に戻ります。

グラフタイプのオーバーレイ

グラフハンドルに表示された文字を見ると、グラフの Y 軸データが対数として表示されているのか、オーバーレイとして表示されているのか、スタックとして表示されているのかがわかります。文字の上にカーソルを置くと、データの表示方法を説明したツールチップが表示されます。
関連する概念
6.1 タイムラインビューの概要
6.4 タイムラインビューの詳細パネルの概要
6.19 タイムラインビューのグラフコンフィギュレーション
6.27 タイムラインビューの可視化されたアノテーション
関連する作業
6.14 キャリパコントロールを使用したフィルタ
6.15 タイムラインビューへのブックマークの追加
12.8 消費電力関連データを整列するように手動オフセットを適用
関連する参考文書
6.10 Timeline view toolbar
6.11 タイムラインビューのコンテキストメニューオプション
6.12 タイムラインビューのキーボードショートカット
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